疫病退散にご利益があるといわれる「アマビエ」。
現在医学では治療できない「なにかわからない」病(やまい)が蔓延したとき人々が思い出すのはやはり「神頼み」ということなのでしょうか。
子供じみた話と一蹴できないなにかが感じられるからこそ、国内外に話題を拡げて共有されているのでしょう。
いまよりも自然環境が厳しかった昔、情報をより早く伝えて病気の予防行動を徹底させるためには「未知の力」に頼って万民の注意を惹きつけることができた「アマビエ」の魅力。その時代の最有力メディアだった「瓦版」で防疫の必要性を知らしめた「アマビエ」。
弊館でも所蔵のアマビエ像に鎮座してもらい、一日も早く日常が取り戻せるよう祈願しています。
「弘化三(一八四六)年、肥後国(現在の熊本県)の海中に毎夜光る物が出現し、役人が現地に赴くと、アマビエが姿を現した。「当年より六カ年の間、諸国は豊作だが、病も流行する。その時には私の写しを早々人々に見せよ」。そんな予言を残して海中に入った」-と瓦版は伝えている。